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作品名:BlackBloodBrothers



作品概要  この作品は通称『BBB』と呼ばれる。
 主人公は望月ジローという吸血鬼であり、吸血鬼化する前は大日本帝国の軍人・望月次郎という青年だった。
 吸血鬼の間でも吸血鬼の苦手な銀でコーティングされた日本刀を振るう『銀刀』として有名。
 ジローは弟の望月コタロウと一緒に吸血鬼が住むことを許される『特区』へとやってくる。
 そこで『聖戦』の英雄であり、旧友であった吸血鬼『東の龍王』セイと、ケイン・ウォーロック、人間の陣内達と再会する。
 特区で、ジローは葛城ミミコという『調停者』に出会い、『護衛者』として過ごすことになる。
 ジローが特区に来たのには理由があり、その一つは『聖戦』で倒した『九龍王』の遺灰に関連することだった。
 ジローは『賢者イヴ』の血統に連なる『オールド・ブラッド』で、始祖の『賢者イヴ』は現在記憶を全て失って、ある少年として過ごしている。
 その記憶を持つのがジローであり、『賢者イヴ』が目覚めるときには、そのイヴの生まれ変わりの少年がジローを『食べる』ことによって復活する。

 世界観としては現在の世界観に吸血鬼を足した伝奇系小説。
 人間を『レッド・ブラッド』、吸血鬼を『ブラック・ブラッド』とする。
 吸血鬼には血統というものがあり、いくつかの始祖が吸血行為をすることによって、されたものはその血統に連なるものとなる。
 ただし、『九龍』の血統以外は吸血鬼化させようと思わなければ、吸血された相手が『ブラック・ブラッド』になることは無い。
 吸血鬼としての力の強さは生きた年月に比例し、1世紀以上生きた吸血鬼のことを『オールド・ブラッド』という。
 吸血鬼には苦手なものがいくつかあるとされるが、この作品では吸血鬼によって苦手なものが違い、唯一ジローだけは吸血鬼が苦手とするもの全般がだめである。
 有名なところだと日光、十字架、にんにく等。マイナーなところで心臓に杭を打たれることや、水、銀といったところ。
 九龍の血統に連なるものはこの影響から逃れるのか、作中では苦手としていない。

 ジローは『賢者イヴ』の糧となるために生き、特区でその生き方を考えていく。



感想・批評  いやもう、ここ数年の中ではトップ5に入るくらい良い作品だと思います。
 私の中では、ですが。
 展開が非常に上手く、作中で人を魅せる場所をしっかりと作っていますし、一人ひとりのキャラ立ちも不自然でなく、物語の登場人物に共感できます。
 こういった類の物語展開が良いものは設定がおろそかになりがちなんですが、そういったことも見られず、吸血鬼の系統付け、世界観の構成、最小限の歴史の説明など殆ど完璧だと思います。
 回想録という形で一冊丸々使って次郎のロンドン時代を描いていましたが、時代感を把握感じさせるような言動や行動があるにもかかわらず物語をすんなり読めます。

 登場人物は色々な性格を持っていますが、その根底にある設定は『孤独』から成り立っているようです。
 吸血鬼と人間という種族の隔たりから生まれる疎外感やそういったものが登場人物に影響を与えているのだと推測できます。
 一見そうでないように見えるコタロウも兄がいないところでは其れ相応の寂しい様子を見せていますしね。

 この作品には殆ど批判するべきものが無いと思います。
 殺陣は特に惹かれますし、かといって日常場面の描写も不適切というわけでもありません。

 富士見書房さんはあざの耕平さんを電撃から引き抜いて大成功だったのではないでしょうか。
 その代わりどこぞやのあとがきで裏切り者呼ばわりされてましたが(勿論冗談で言っていたらしいですが)。

 富士見の作品の中では異例の速さでアニメになったのではないでしょうか。
 例外として『まぶらほ』がありますが、あれはこつえーさんのイラストが主な原因でしょう。
 といってもBBBのイラストを描いている草河さんもオーフェンを描いていましたが。

 富士見ファンタジア文庫で私がいくつか薦めるのならば、間違いなくこの作品はその中に入ります。
 是非、読んでみてください。