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作品名:伝説の勇者の伝説



作品概要  主人公・ライナ=リュートは、複写眼という全ての魔法の構造を見ることが出来る魔眼の持ち主。
 相棒のフェリス=エリスは絶世の美女だが、だんごを崇拝しており、何かあるとすぐ剣を抜く。
 主人公の友人・シオン=アスタールはローランドの王であり、暇があればライナやフェリスを権力を盾にしておちょくっている。
 物語はこの三人を中心として進められる。
 世界観は完全に異世界ファンタジーで、大陸でいくつかの国が争っている、という設定から始まる。魔眼保持者は忌み嫌われ、実験などに使われてしまう。
 その実験施設の中のひとつで育ったライナは凄い自堕落な様子だが、それは幼少の頃に受けた迫害の経験から『自分の力ではどうにもならない』『自分はいないほうがいい』という認識を持っているために出た無気力さの現われといえる。
 この作品において、対決する二つの国、ガスタークとローランドはそれぞれ自分の正義を信じており、絶対の正義が無いという趣向がある。
 ライナは『全ての式を解くもの』であり、今のところそれが何かは明らかになっていない。



感想・批評  世界観の構築はほぼ完璧な作品。どんな小さなキャラにも個性があり、一人ひとりのドラマがあるのが面白い。平和な表の世界と、混沌とした裏の世界を上手く混ぜ、ひとつの国としてあらわしているが、これは現在の日本と同じようなものかもしれない。
 普通こういった異世界モノは主人公一人の視点で描くことが多いのだが、この作品に関してはそれが当てはまらず、主要三人キャラがそれぞれの感情を抱き、それがぶつかる様をよく描いている。
 魔法を唱える際の詠唱にも独特のものがあり、当て字上手く当てている、と感心せざるを得ない。

 この作品における欠点としては何より改行が多いこと。文字数だけで換算したら伝説の勇者の伝説二〜三冊で同じ値段の他の文庫本と同じくらいだろう。改行がこの作品の魅力のひとつであることは間違いないが、もうちょっとお値段安くなりませんかね?>富士見書房さん
 もうひとつ挙げられる問題点として、世界観を大きく構築しすぎるきらいがある。これは武官弁護士エル=ウィンにもいえることで、読者が応援しているからなんとかなっているが、鏡貴也さんが言うには十巻までが序章である、ということ。全部完結するまでに何冊かかるものかよくわからない。こうすると物語が全部完結するのが難しくなったりする。勿論完結できれば問題はないし、(その場合名作が生まれますね)作者の意図だからいいのですが、学生には辛いんです……資金的にも置き場所的にもOTL
 とまぁ、酷評した後でなんですが、私はこの作品苦労して買うほど好きなんです。ノリが非常に親しみやすく、かといってお気楽なだけの作品でない点が好みです。