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作品名:マテリアルゴースト



作品概要  物語の主人公、式見蛍は幼い頃に交通事故にあったせいで『霊体物質化能力』(幽霊といった類のものを半径2メートル〜xの範囲まで実体化させる能力)を得る。
 極度の『死にたがり』であり、常に苦しまないで死ねる方法を模索しているが、この死にたがりの理由は後々明らかになる。

 ある日、駅のホームでいつものように自殺方法を考えていると、『霊体物質化能力』によって、幽霊の少女と出会う。
 それから蛍によって『ユウ』と名づけられた少女との生活が始まる。
 蛍の幼馴染の神無鈴音は巫女の家系であり、幽霊と人間が暮らすという不自然感と、女としての面からこの少女と蛍の関係を最初好ましく思わないが、時間がたつにつれだんだんと打ち解けてくる。

 蛍はその『霊体物質化能力』によって、町に起こる怪奇事件に否応無く巻き込まれ、それを解決していく。
 また、その過程で自分の『死にたがり』の理由を知ることになる。



感想・批評  初めに読み始めた読者は主人公の『死にたがり』に不思議な感じを受けるかもしれない。
 しかし、現代において考えてみると『死にたがり』というのは不思議でもないことかもしれない。ただ、主人公の蛍はある程度恵まれた環境に居るという点で、その違和感が浮き彫りになっている。しかし、これは単なるキャラ作りではなく、作中では重要なギミックとして活用されている。

 登場人物に関しては7割以上が女性という構成で、男性は主人公と幼少の頃の友達、星川陽慈くらいのもので、その星川陽慈にいたっても最初は主人公に一目ぼれをするという登場をしてくれた(蛍の外見が中性的という設定のため)。

 作品のジャンルを区分するならば、ホラー系+恋愛物といった感じだろうか。とりあえず主人公はハーレム状態。
 イラストはてぃんくるさんが手がけていて、登場人物の柔らかい(華奢な)印象とあっている。
 物語の進め方は大抵が共通していて、主人公たちの日常が繰り広げられ、その中でサイドストーリーのように都市伝説のようなものが進む。そのサイドストーリーが最終的に蛍達が直面する事件となるといった感じだ。

 技巧的な批評では、この作品は『最近のライトノベル』のジャンルに分類しやすいものだと思われる。いわゆる『萌え』とかいうヤツを作中のいたるところに混ぜ、ライトなノリの会話文がテンポよく進む、といった感じだ。
 そのため重厚な作品とは言えず、どうしても作りが軟い。といっても駄目な作品というわけではなく、文学として評価される対象ではない、ということ。
 若者向けの読み物としては十分すぎるほど面白いし、『自分の存在が他者の行動を阻害していないか?』という疑問を抱かせてもくれる。

 最近の作品の中ではかなりお勧めに属するかもしれない作品。